電車女

朝の超ラッシュ時,立川から慌てて東京行きの中央線に乗り込み
『ふぅ,間に合った』つり革につかまりあたりを見回すと
若い女性ばかりが目に付きます。
               


『あれっ?いつのまに女性専用車両が出来たのかしら?』


ふと鋭い視線を感じて右隣のCanギャル風の女性の顔を見ると


「おばさん,車両間違えてるんじゃない?
 ここは20代女性限定車だよ…ずうずうしいんだよ!」


「は〜っ?女性ならいいんでしょ!年齢制限はないでしょ!」


すると左脇腹をつつかれ,左のJJ風の女性に言われました。


「7月1日から新たに年齢別女性車両が出来たんですよ。
 今までの女性車両に乗り込む中年女性を誹謗中傷から
 守るためらしいですよ」


「そうだよ。だから,おばさんは次の駅で隣の車両に
 乗り換えなよ!」


むむ,こんなに若作りしてるのに見破られたか…。
確かにニュースで女性車両に乗っている女性達を見て
家人Mが「おばさんは乗らなくていいんだよ!」と
暴言を吐いていたし,
私自身,乗ったとしても
『あんな人痴漢されるわけないじゃん』と
思われてたらいやだな…とは思ってたよ。


しぶしぶ国分寺で後ろの車両に移る。


その日は暗い気持ちで仕事を終え,
友人Tと高田馬場で呑み新宿から中央線に乗り込む。

まさか終電に女性専用車両はないよね…とまわりを見回すと
いちゃつくカップルだらけ,椅子は終われポールのみになっている。

すると以前の自称モデルがまたいましたが,相手は清六ではない。
バナナマンになっていた。

「ちょっと〜,おばさん。ここはカップル専用車よ。
 邪魔しないでよ!お・ば・さ・ん」


「なによ!あんたもおばさんじゃないの!」


「なんですって〜!」


そこで目が覚める。
使い回され一番嫌なオチの「夢でした」で終わる。


つづく